長年の浮気調査で私が実感するのは、タクシーを利用した浮気が年々増加傾向にあるということです。タクシーは移動手段として便利な反面、証拠収集を難しくする厄介な存在でもあります。今回は、タクシーを使った浮気の特徴と、効果的な証拠収集の方法についてお話しします。
対象者によるタクシー利用
浮気相手と会うためにタクシーを利用する理由は主に以下の3つです。
移動の秘匿性が高い
タクシーは他の公共交通機関と違い、乗車履歴が残りにくく、誰とどこで乗り降りしたのかも特定が困難です。特に都会では同じような車両が多く、尾行も難しくなります。
時間の融通が利く
電車やバスと違い、時刻表に縛られることなく、好きな時間に好きな場所へ移動できます。深夜の密会でも、タクシーがあれば問題ありません
アリバイ工作がしやすい
「仕事が遅くなったのでタクシーで帰った」という言い訳が通りやすく、領収書も会社経費として処理できるため、不自然さが目立ちにくいのです。
密会のための利用する事例
遅刻回避のケース
仕事や用事が長引いた際、浮気相手との約束時間に遅れないようタクシーを利用するケースが多く見られます。特に男性は約束時間を守りたい傾向が強く、高額な運賃を払ってでもタクシーを使う傾向にあります。
アクセス困難な場所への移動
- 乗り継ぎが多い場所への移動
- 駅から遠い場所への移動
- バスの本数が少ない地域への移動
尾行対策のための利用
まれに、警戒心の強い対象者や慣れている対象者は尾行をまくためにタクシーを利用することがあります。
巧妙な乗車タイミング
- 横断歩道を渡った直後の乗車
- 見通しの悪い交差点直後での乗車
- 人通りの多い場所での突然の乗車
撹乱テクニック
- 一方通行の路地を多用
- 頻繁な後方確認
- タクシーの乗り継ぎによる追跡妨害
証拠隠滅のための利用
移動経路の工夫
- 複数のタクシーを乗り継ぐ
- 電車やバスと組み合わせた移動
- 予測不能なルート選択
高度な対策
- 女性名義でのホテル予約
- アリバイ作りのための電光掲示板撮影
- 複雑な経路での移動
プロの探偵が苦慮するポイント
タクシー追跡困難な状況
- 多数のタクシーが走る都心部での利用の場合
- 渋滞や信号による制限がある
- 突然の降車や方向転換など
プロとして追跡困難な状況は想定しているので、様々な事前対策をして調査に臨みます。
探偵側のタクシー利用
尾行のための戦術
- 2名以上の調査員で前後からタクシーで追跡
- 対象者の乗車前に先回りしてタクシーに乗る方法
- 後続タクシーを選んで追跡する手法
タクシー尾行が予測される場所
主な場所
- 駅や空港の周辺
- シティホテルのエントランス
- 繁華街や飲食店街
タクシー尾行の課題
主な困難
- 交通状況による追跡の難しさ
- 同じようなタクシーが多い場合の識別困難
- 対象者の移動先把握が困難
- 信号待ちや渋滞による制限
タクシー利用と証拠の効力
単独での証拠としての価値
タクシーの乗車履歴や目撃情報だけでは、法的な証拠としては不十分です。車内で異性の毛髪や口紅のついたタバコの吸い殻が見つかったとしても、「会社の同僚を駅まで送った」などの言い訳が可能なため、決定的な証拠とはなりません。
法的に有効な証拠とは
不貞行為の立証には、以下のような明確な証拠が必要です。
- パートナーと浮気相手が一緒にホテルに入る写真や動画
- 不貞行為を認める会話の録音
- 浮気を認める念書や誓約書
単なるタクシーの乗降だけでは、決定的な証拠とはなりません。しかし、他の証拠と組み合わせることで、不貞行為の立証に役立てることができます。
証拠収集の課題
タクシー追跡の難しさ
- 空車確保が困難な場合がある
- 交通状況による影響を受けやすい
- 一方通行や複雑な経路での追跡が困難
典型的な浮気パターン
ある調査で遭遇した典型的なケースをご紹介します。
対象者は平日の夜、会社を出た後にタクシーに乗り、一度目的地とは違う方向に向かいました。
その後、人気の少ない場所で降車し、待ち合わせていた浮気相手の車に乗り換えたのです。
このような場合、タクシーでの移動は証拠としては弱いものの、その後の行動を押さえることで、決定的な証拠を入手することができました。
依頼者の心理的サポート
浮気調査の依頼を決意することは、非常に大きな精神的負担を伴います。「パートナーを信じたい」という気持ちと「真実を知りたい」という思いの間で揺れ動くのは自然なことです。
まとめ
タクシーを使った浮気は証拠収集が難しい一方で、適切な調査方法を用いれば、十分に証拠を押さえることは可能です。大切なのは、一つ一つの証拠を丁寧に積み重ねていく姿勢です。