探偵歴20年以上のベテラン探偵です。今回は、探偵がGPSを使って浮気調査をすることは違法なのかについて、法律の観点から詳しく解説していきます。浮気や不倫の証拠を掴むために、GPSを使ってパートナーの行動を追跡したいと考える方は少なくありません。しかし、GPSの使用には法的なリスクが伴うことを理解しておく必要があります。
GPSを使った浮気調査は違法?ケースによって判断が分かれる
結論から言うと、GPSを使った浮気調査の違法性は、ケースバイケースで判断されます。一概に違法とは言えませんが、違法となるケースもあるのです。大きく分けて、以下のようなケースで違法性の判断が分かれます。
- 夫婦の共有財産である車にGPSを取り付ける→基本的に合法
- 配偶者の承諾なしに車にGPSを取り付ける→違法の可能性大
- 別居中の配偶者の車にGPSを取り付ける→違法の可能性大
- 浮気相手の車にGPSを取り付ける→違法
つまり、GPSを取り付ける対象が誰の所有物かによって、違法性が大きく変わってくるのです。
令和3年のストーカー規制法改正で、GPSの無断取り付けが違法に
令和3年(2021年)に、ストーカー規制法が改正され、GPSなどの位置情報記録装置を使った位置情報の無断取得等が禁止されました。これにより、配偶者であっても、相手の承諾なしにGPSを取り付けて位置情報を取得することは違法となりました。違反した場合、6月以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。探偵が依頼者の配偶者の車にGPSを取り付けるケースでも、配偶者本人の同意がなければ違法となります。2024年には、旭川地裁が探偵会社によるGPS調査を「プライバシーの侵害」と認める判決を出しています。
違法にならないGPS浮気調査の方法
では、GPSを使って違法にならずに浮気調査をするにはどうすればよいでしょうか。ポイントは以下の2つです。
- 夫婦の共同財産である車を対象にする
- ドライブレコーダーを利用する
夫婦の共同財産である車は、双方が所有権を持っているため、GPSを取り付けても違法にはなりません。ただし念のため、家庭裁判所に使用許可を求めておくと安心です。またドライブレコーダーには、GPSによる位置情報記録機能が搭載されているものがあります。車両に標準装備されているため、違法性の問題は生じにくいでしょう。
GPSの記録は浮気の証拠になる?
GPSの位置情報記録は、裁判での浮気の証拠として採用される可能性があります。ただし、GPSの記録だけでは決定的な証拠とは言えません。GPSの記録と合わせて、以下のような証拠を集めることをおすすめします。
- 浮気現場の写真や動画
- 浮気相手とのラブホテル出入りの記録
- LINEやメールでのやり取り
- 第三者の証言
これらの証拠を総合的に判断することで、浮気の事実を立証しやすくなります。
自分でGPS浮気調査をする際の注意点
自分でGPSを使って浮気調査をする際は、以下の点に注意が必要です。
- 違法行為にならないよう、GPSの取り付け対象と方法に気をつける
- 証拠能力の高い情報を集める
- GPSのバッテリー切れに注意する
- 調査がパートナーにバレないよう慎重に行動する
- 見つかった証拠によっては、専門家に相談する
確実に浮気の証拠を掴み、適切に対処するためには、探偵への依頼も検討してみてください。プロの調査で、安全かつ確実に不貞の証拠を入手できるはずです。
まとめ
GPSを使った浮気調査には法的なリスクがあり、ケースによっては違法となる可能性があります。令和3年のストーカー規制法改正で、配偶者でも無断でGPSを取り付けることは違法となりました。違法にならずにGPSで浮気調査をするなら、夫婦の共同財産の車を対象にするか、ドライブレコーダーを利用するのが賢明です。ただしGPSの記録だけでは決定的な証拠とは言えないため、他の証拠も合わせて収集することが大切です。自分で浮気調査をする際は、違法行為に気をつけ、慎重に行動することが求められます。調査の専門家である探偵に依頼することで、安全かつ適切に不貞の証拠を掴める可能性が高まるでしょう。浮気調査は法律が関わる繊細な問題です。本記事の内容は、法律の専門家である弁護士によるものではありません。実際に行動する際は、弁護士に相談されることをおすすめします。